2004.12.09

鬱病者が抗うつ薬をのむべき理由 その 2

薬は「よくないもの」で、なんとかガマンできるならのまないほうがいい、というのが、どうも普通の人の考えであるようだ。これは「薬とは何か」ということに対しての理解というより、現在の日本で医師や病院が「薬を出しすぎ」な傾向に対するひとつの自衛策なのかもしれない。また、患者も薬の効き方について正しい情報を持っていなければ、鎮痛剤などはのみすぎになることもある。

しかし、何度説明しても家族から「まだ薬をのんでるのか。体に悪いから早くやめなさい」と言われるのは困ったものだ(実体験より)。

鬱病のちゃんとした解説本や解説ページでは、薬はちゃんとのむように、と書いてあるが、これを丸ごと信じてもいいのか疑問を持つのは、情報収集の「リテラシー」としてある意味当然である。(スキルのない医師が処方した薬が、よけい状態を悪くする例はいくらでもある。) こういう「公的な見解」と家族や周辺の人々の、本当の悪意ではないにしても「理解する努力がないままの、相手を不安にするような発言」の間で、どういう行動をとるべきか考えるのは、これ自体がストレス源だ。

ともかく。鬱関係の薬を含めた脳に作用する薬は、通常よりさらに「悪いもの」として考えられがちだが、ひとつ大事なことがある。

ストレスに対して分泌される体内の副腎ホルモンも、抗アレルギー剤として使用される人工の副腎ホルモンも、「海馬の細胞を破壊する」作用を持ち、これは鬱病につながる。(作用速度は遅いので、必要なときに副腎ホルモンを使うことは必要。また、このことを知っていると、一時的な鬱を何か根源的なものからきていると誤解せずにすむ。)

こういった副腎ホルモンが原因の海馬などの萎縮に対し、抗うつ薬を続けて使用すると脳細胞の保護や、萎縮からの回復を促す作用がある。これについては、最近あちこちで記述をみかけた。次のリンクはそのひとつ。

http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?cmd=Retrieve&db=pubmed&dopt=Abstract&list_uids=15488477

たいていの種類の抗うつ薬はこの作用があり、(抗うつ薬としての効力との原則的な関連も言われている)、三環系でも SSRI でも MAOI でも保護的に働くようだ。

ただ、抗うつ薬をのんでいたら海馬がどんどん回復するというようなこともないので、抗うつ効果と副作用と、すべてのバランスで考えてください。

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2004.09.14

ほんとのプロの薬の使いかた

「あなたの精神科医はどのくらい薬に詳しいかチェック」(英語)という解説記事がある。いわゆる普通の投薬指針「だけ」に従っていると、いい治療はできないよ、ということらしい。教科書的な本には書かれていないことなので、ちょっと紹介。

プロザックの 1 日量で、最高どのくらい処方したことがある? ― 医学生「20 から 40 ミリグラム」/ 精神科研修医「60 から 80 ミリグラム」/ プロ「100 ミリグラムか、それ以上」

モノアミン分解酵素阻害剤(MAOI)と三環系抗うつ薬の併用はよくするか? ― 医学生「しない。危険だと聞いている」/ 精神科研修医「しない。そういう使いかたもあると聞いているがやらない」 / プロ「ときどき使う。この組み合わせがたいへん有効な症例はわりとある」

コントロールのむずかしい鬱に Lamictal や Topamax を使うことはよくある? ― 医学生「しない。それって抗けいれん薬じゃないか」 / 精神科研修医「しない。そういう薬を使う医師もいると聞いているが自分はしていない」 / プロ「どちらも、あるいは両方組み合わせて、鬱の治療に使ったことがある」

SSRI との併用で Dexedrine、Mirapex、Ritalin、Periactin、pergolide、Bromocriptin を使うことがある? ― 医学生「しない。なんでそんなものを使うの?」 / 精神科研修医「しない。副作用を抑えるのにそういうものを併用こともあるとは聞いている」 / プロ「ある。副作用を軽減したり、抗うつ薬の効果を高めるのにとても役に立つ」

註: 日本ではプロザックは未認可。モノアミン分解酵素阻害剤(MAOI)も現在は 1 種類も使われていない。Lamictal(lamotrigine)と Topamax(topiramate)は新しい抗けいれん薬で、日本では未認可、治験進行中。Dexedrine(dextroamphetamine sulfate)は「覚醒剤」に分類されるので日本では使えない。Mirapex(pramipexole)は新しいドーパミン作用薬で抗パーキンソン薬として使用、日本では「ビ・シフロール錠」という名前。Ritalin(リタリン)はこのごろいろいろ言われますが、「基本からちょっと踏み込んだ治療」にはやはり使われるわけです。Periactin(ペリアクチン)は日本でも使われている抗ヒスタミン薬で、抗セロトニン効果もある。pergolide は日本では「ベルマックス錠」として販売されている抗パーキンソン薬。Bromocriptine(ブロモクリプチン)も抗パーキンソン薬。

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2004.05.17

鬱病と運動療法

「運動は本当に鬱病に効くのか」 という記事を「老年でボケないためにも運動がよい」という同サイトの記事からのリンクで知った。

言及されている 論文(British Medical Journal に掲載された Debbie Lawlor と Stephen Hopker 著のもの)要旨は以下のとおり。昨今、鬱病に対して「運動療法を処方する」ことがはやっているが、「鬱病に運動がよい」という結果が出ている調査結果は、どれもずさんなものである。長期にわたる観察結果をまとめた唯一のまともな調査によると、運動療法と、認知療法、瞑想のどれかをそれぞれ 3 か月患者にやってもらった後、間を空けて 9 か月後の調査では、どれも結果は同じ。また、普通の鬱病患者は「日常の雑用をやる気さえ起きず、当然、ランニングやエアロビクスなんてとてもやれない」という状態なので、運動療法の効果の調査に参加したのは「それ以外」の人ということになるあたりも、根本的な矛盾である。

ただ、今後の調査によっては運動がよい影響を与えるという結果が出るかもしれないし、短いスパンでみると運動によって症状が軽減する患者もいることはいる。また、運動することそのものが体にいいというのは一般論として正しい。

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2004.01.28

リタリン依存問題

きょうの NHK の「クローズアップ現代」で取り上げられてた。画面に大きく映ったのはリタリン、ハルシオン、デパス。どれも「依存症になる可能性が大きい」(英語でいう abuse、すなわち「悪用 = 依存的使用」しやすい、即効性や快感があるので必要以上に服用する可能性がある)薬剤である。

リタリンをそんなに安易に出す医師は多くないと思う。まともな医師はリタリンを出すに至るまでに何年か他の薬を順に試すはずだ。その仕組み上どうしても依存症の可能性が少しある精神安定剤を全く出さない(わたしに対してだけだったのか?)医師だっている。

しかし、どうも無責任に薬を処方する医師はいるらしい。これは精神科にかぎらず、ほかの医療分野でもある程度は同じなのだと思う。あるいは精神科という診療科目が、まだいまひとつ「日の光が当たらない」ところで、保険審査なんかも甘いのだろうか。しかし、そういった医師がいるからといって、単純に「リタリンが悪い」と言ってしまうのは筋違いだ。

リタリンは難治性鬱病の患者の一部には必要な薬だ。それを鬱病の適用からはずしてしまうのは患者側からすると損失だ。

もうひとつ、薬に頼らず鬱病を治療せよ、というのは非常に危険な論理だ。入眠・睡眠剤、精神安定剤、リタリンはともかく、抗うつ薬は必要である。その理由は [ 鬱病者が抗うつ薬をのむべき理由 ] に書いたとおり。

たぶん、こういった取材に協力している医師たちもそういうことはわかっている。NHK による「まとめかた」がどうも素人っぽくて、「クスリはこわい(特に精神科のクスリは)」という先入観を持った人が担当しているように感じる。

依存症になった人たちは気の毒である。しかし、それはリタリンが悪いのではなく、ちゃんと情報が届かなかったからである。言い換えれば、患者側もしっかり情報を収集する責任が少しはある。確かにリタリンは扱いに注意を要するという意味では、他の薬といっしょにするのは危険だが、「こわい」というレッテルは「思考停止」を意味する。どう使うとマズいのか。そういう情報をきっちり出すべきだ。

通常はインターネット上の患者側からの情報がかなり有効なのだが、リタリンの場合はちょっと不幸なことに、まるでリタリン依存がちょっとカッコいいかのようなスタンスで、(一部の中学生・高校生にとってのタバコの位置づけと似ているが、もっと実効性と悪影響がある)、リタリンの abuse の情報がたくさんやりとりされるようになってしまった。しかし、それはリタリンが悪いとかインターネットが悪いのではない。

基本的に「続けて薬をのんでいたら、だんだん効かなくなった」ときには、増量してはいけない。リタリンの場合、たぶん最初の 1 回はすごく効く。で、効いたときに何が起きるかというと、脳内物質が大量に放出され、大量に消費される。蓄えがなくなる。だから、脳内物質の備蓄がたまるまで、次にのんでも効かない。たぶん、そのことをリタリンを処方する医師はしつこいくらいに患者に言い聞かせなければならない。

また、リタリンがだんだん効かなくなって、やめようとしたら、状態がひどく悪くなって……、というのは「副作用」ではない、「離脱症状」である。(禁止薬物なら「禁断症状」という。) 「離脱症状」を起こさない方法は、服用量の漸減(少しずつ減らす)である。これは基本。これも医師は教えていないことが多い。が、離脱症状は脳内物質に影響する薬ならどれでも出る可能性がある。三環系抗うつ薬ならかなり確実に出る。

リタリンは前述のように、脳内物質を大量に消費する薬である。脳内物質の備蓄が減ってくると、薬の量を増やしてさらにキツく絞り出さないと脳内物質が出ない。その「キツく絞り出す」行為は脳には負担である。どこかが少しずつ壊れるかもしれないし、いつまでも続けられない。いったんこの仕組みわかれば単純なことだ。リタリンを「のむと何か調子がよくなるクスリ」と思っているかぎり、「効かないからもっとのまなければ」という考えになってしまう。仕組みを知れば納得して服用量を減らしたり間をあけたり、あるいはうまく依存から脱出することができるはずだ。まだまだ情報が行きわたっていないのが問題だ。

[ 追記 ] (2004/01/29)

赤城高原ホスピタルの [ リタリン乱用 ] ページを書いている医師は、リタリンを「鬱病」の適応からはずすべきだ、という意見である。この医師は信頼できる人だと判断しているし、リタリンは有効性と危険性のバランスがちょっとまずいのも事実だ。しかし、実際にやたらと長い期間にわたって「難治性うつ」をやっていた(ちょっとマシだけどまだやってる)患者にとって、少しでも効く薬が処方からはずされるのは困る。「健康保険」での「適応症」に入っていなくても、全額負担で処方してもらうことは制度上可能かもしれない。しかし、こうなるとほとんどの医師は「効く可能性」があると思っても処方しないのではないだろうか。

経験上、リタリンはごく控えめに(わたしの場合は「たまに」)使うと有効。トラックバックをしてくれた [ いつぞやのリタリン ] にもそんな経験が書かれている。

[ リタリン乱用 ] の、リタリンの効果じゃないのに、リタリンの効果と勘違いする危険がある要因、については、すべての薬について言えることなので重要。

……ところで、依存になる可能性が高いからリタリンを規制せよ、とか言うより先にパチンコ屋はなくしてもいいんじゃないか。親がパチンコ依存症になったせいで、すでに幼児が何人も死んでいる。

[ 追記 その(2) ] (2004/05/17)

リタリンの鬱病への適用については、アメリカで安易に処方するのは危険という方針が先に打ち出され(すなわち、以前はアメリカでも鬱病によく処方していたもよう)、それを参考にする形で、また同時にリタリン濫用者が増えてしまったことに対応するために、日本でも鬱病に対する処方が縮小されてきたのではないかと思われる。しかし、禁止ではないし、Nobu さんがコメントで紹介しているメーカーの添付文書からしても、とうぶんは禁止にはならないようだ。

リタリンを語るとき、「アメリカでは鬱病には処方しない」と言うだけでは全体の状況は正しく理解できない。(わたしが読むウェブページはアメリカのものが多く、他の国についてはわたしは把握していない。) アメリカでの主なリタリンの処方理由は子供の ADHD である。アメリカでは常に新薬が導入されつつ、薬批判もさかんに行われていて、子供の ADHD にリタリンを使うことについても批判する論文や本が出ている。しかし、リタリンなしではまともに学校の勉強もできず、したがって普通に進学したり就職して、まっとうな人生を歩むこともできなかった、という本人の談などを読むと、批判論に説得力を感じない。もちろん副作用とのバランスで合わない人もいて、そういう人に無理にのませるのは論外だが。

さらに「アメリカでは覚醒剤も医薬品として処方されている」という枠のなかにリタリンがある。デキセドリン(デキストロアンフェタミン)は現在もナルコレプシーと ADHD が適応症だし(RxList の Dexedrine 適応症解説)、アデラール(アンフェタミン複合剤 / RxList の Amphetamine 適応症解説)も ADHD に処方されている。また、けっこう最近(2002年の事例についての記述を見かけた)でもデキセドリン(覚醒剤)を鬱症状に対して処方する医師がいたりする。アメリカでリタリンが濫用されないのは、他にもっと濫用に適した薬物がいろいろあるから、という理由でしかないのでは。

[ 追記 その(3) ] (2004/06/27)

その後、ウェブ上の情報で、アメリカではリタリン「も」濫用されていることがわかった。他にいろいろあっても手に入りやすいので使われるのだろうか。ADHDの診断で小学生にも広く処方されていたりするようで、使われている総量が日本よりずっと多そうだ。

いっぽう、リタリンの鬱病に対しての処方については、難治性の場合に他の抗うつ薬の補助として使うと有効ということは広く認められているようで、記事や論文もたくさんある。

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慢性じんましんは危機的状況

これは体験談である。ずっと前、ストレスの多い状況で慢性じんましんになった。普通の観点からいくと、この症状の原因は「不明」である。本人も自分がそこまでストレスを感じているとは思っていなかったりする。頭でわからないから体に出ている、体に出ざるをえない、という状況だと思う。

慢性じんましんは、もう毎日体じゅうに赤い地図のように盛り上がりができて、痒さによる苦痛も相当なものなので、医者にかかる。すると副腎ホルモン剤が処方される。これが大問題なのである。

通常の(肉体的・生理的な原因があると想定される)アレルギー症状に副腎ホルモン剤を使うのと、原因がストレスによる場合の症状に副腎ホルモン剤を使うのでは、意味が違う。

ストレスが鬱病の原因になるのは、こっちはかなり認識されていることである。なぜストレスが鬱病の原因になるか。それはストレスを感じた脳が「いまは危機的状況である」と判断して副腎ホルモンを多く出すように命令し、増えた副腎ホルモンが脳組織に異常な変化を生じさせる(海馬の組織の萎縮その他)からである。すなわち、 HPA (視床下部 - 下垂体 - 副腎皮質)系(参考ページ : [ 脳の形態と機能 ])の機能亢進状態による鬱病の発症である。

これについては Scientific American の 1998 年 6 月号掲載の Charles B. Nemeroff 著、"The Neurobiology of Depression" が研究の当事者によるわかりやすい基本文献である。(以前は Scientific American のサイト上で公開されていた。Google 検索で転載しているものを探すことができる。) また、Scientific American と提携している「日経サイエンス」にも日本語訳が掲載されたようだ。

このへんから考えると(あくまで医師でもなく研究者でもない者の単純な推測)、ストレスですでに副腎ホルモンが出ていて脳を破壊しはじめている状態で慢性じんましんになっている者が、さらに副腎ホルモンを服用するのは、すごくまずいんじゃないか。

……ということを、何か月も慢性じんましんに悩まされ、あまり効かないけど他に治療法もないので副腎ホルモン剤をのみ、それを半年以上続けた結果、じんましんから難治性鬱病になった、そのずっとずっと後になって気がついたというわけ。HPA 系関連で脳が変化してしまうと、立ち直りに時間がかかる。

ひょっとしてあなたがストレスから慢性じんましんになっている可能性があるのなら、ちょっと回りに向かってキレるくらいのことをやって、現在の状況を打開する必要がある。副腎ホルモンをのんで治りにくいタイプの鬱病になると、さらに辛くなる。自分を守ってほしい。

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2004.01.26

「勉強」と「実生活」

ちょっと前に朝日新聞が掲載した、高校生の学力が理数系でどうも芳しくない、という記事について、取り上げている人をちらほら見かける。若い世代の学力を心配するのは当然だ。彼らは、そしてその学力は、日本の資産なんだから。

本人の視点のほうから見たときに、学校の勉強が「実生活の役に立たない」と感じている場合が多いこと、したがって意欲が低いこと、が問題だ。これに関しても、やっぱり親の世代の影響は大きい。特に、主婦をやるのに学校の勉強なんてできなくてもいいことになっている。んなバカな。家事なんかはいわゆる理科の知識がとても有効な分野。料理は熱などによって物質の物理的・化学的変化を食品に加える作業であるし、食中毒を避けたり子供の病気やケガについて最適な判断をするためには生物学の知識が有効。ローン計算や資産管理は数学だ。洗濯も化学。

「伊東家の食卓」というテレビ番組でいろいろな「裏技」を紹介しているのが、かなり人気なのだが、その中には理系の基本の知識をひじょうにうまく応用していて面白いものもあったし、そういう知識で考えれば当然で、何をそんなもんに感心するんだろう、というようなものもあった。高校の理系の知識を持っている人がそんなに少ないわけではない。それを生活のなかでの普通の作業に使ってない、そこに無意識の障壁を作ってしまっている、というだけなのだと思う。

じゃ、あれかな、勉強をいちいち「裏技」として教えるといいんかな。円周を求めるのだって、「車輪が一周したときにどれだけ進むのかがわかる裏技」とか言うと、なんか「知ってると得」な感じがしなくもない。

「知ってると得」という価値観はいまでもしっかり存在している。それと普通の学科の知識が関連づけられてないこと(あるいは排他になっていること)が問題なのだ。どうしたらすべての人にとって、学科の知識が「知ってると得」という分類に入れたいものになるのか、そこを論じる必要がある。

あと、あれですよ、大人の態度。自分が知らないことを誰かが知って(発見して)、うれしそうに教えにきたら、「へえ、そう」くらいは言ってやれって。自分の子供だったら、「面白いねえ」くらいの相槌を打って、しかもそのジャンルの知識を多少は仕入れるようにしろ。「そんなこと、役に立たない」と言い聞かせて子供のやる気を奪っているのは大人だ。自分がわからなくて、でもその弱点を認めたくなくて、「それには価値がない」と言うのは最悪の卑怯。

これは学校の勉強だけじゃなくて、ゲームの話でもマンガの話でも。「そういうのは、わたしはわかんないから~」と言って逃げるのはやめてほしい。

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2004.01.05

無自覚なサヨク

なんか周囲にはいつだってそういうのがいっぱいいた。そういうのの何がいちばん「ウザい」か、というと、「善人顔」だ。

「わたしは社会のことや弱者のことを考えている、いい子」という役割を演じているのが見える。こっちには見える。本人は自覚していない。そういう病気なのだ、「いい子だね、とほめてもらいたい」病。

ほめてもらいたい、というのは正当な欲求だと思う。でも、ほめるという行動ができる人が少ない。ほめるという行為ができる前提として、自己不安がないことが必要だからではないだろうか。相手のある行動やひとつの美点をほめることで、自分の自信がまったくゆるがないだけの、自分に対しての信頼がないと、「おべっか」ではない、ほんとうに心のこもった「ほめる」行為ができないから。

具体的にほめてもらえる機会が少ない。だから、「これをしていればそれは自動的にほめられることになる」行為をして、ほめられたいという欲求を少し満たす。自分でほんとうに考えぬいて選んだ行動ではなく、定義があいまいな「自分のなかの他者」が「ほめてくれそう」な行動をする。ほめてもらいたいという欲求が切実なのと同じだけ、この行動を選んだことも切実だ。だから、「理由」について、具体的に批判などをされると、具体的に答えることはできないが、同時にその「切実さ」を攻撃されていると感じるからたいへんな「逆ギレ」を起こす。「そんなことを言うなんて、人間として信じられない」というセリフになる。

これは要するに「わたしをほめてくれないなんて、ヒドい」と言っているだけなんだが、本人はなんか正当なことを言っているつもりで、かつ、「アンタは人間以下」という根拠のない批判で相手を攻撃できるという、本人にとって満足度の高いフレーズ。もとから「考えてない」からそういう行動に走っているわけで、「偉そうな言い回しの威を借るオウム」状態。

まじめに対応しても疲れるだけなので、関わらないほうがいい。でも学校の教師をしている人にかなり多いのが心配。実際に「洗脳」されちゃう子供もいる。

「ほめられたい」だけなので、これは別にサヨクに限ったことではなく、宗教関係にもたくさんいるし、ウヨクだっている。現在のところサヨクが目立つのは戦後の教育によるひとつの文化的状況(なんかクサい言い回しだけど)なんだろう。

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